横尾忠則の仕事

猪熊弦一郎

画像は*1猪熊弦一郎の顔80(1989年)です。彼は晩年格子状に区切られたキャンヴァズに卓越したデッサン力で人の様々な顔を簡略化して羅列する作品をいくつか制作している。
これは買ったポストカードを撮影した。
この行為は犯罪なのだろうか?個人で楽しむ範囲として見過ごしてもらえるのだろうか?
資生堂アデノゲンのCMが自作の盗作として横尾忠則さんが抗議していたそう。

  • 横尾忠則という人は私の中で、日本のPOPアーティストだった。
    でもPOPアーティストは広告に自作の影響を重ね見ても、それを『盗作』ぶのはナンセンスな行為だったと思う。
    自らアートの看板貶めたも同然だよ。一般生活に応用されてナンボだと思うよアートは。
  • 先日の『ゴッホ展』のミレーやドラクロアの代表作の構図そのままで、鮮やかに作品を再編成したゴッホの仕事を思い出させた。
  • ポストカードを並べた作品といえば*2川原温の「I got up at」シリーズも思い出させる。
    彼の主体性とモラルをこれらの作品を並べて具体的に問いたい。
  • 昔の『進め電波少年』で松村邦彦の要請を玄関払いしていた彼を思い出した。
    まあ、あれは失礼が売りの番組でしたが。
  • 某美術館のレクチャーも事前にキャンセルしていたな。
  • タナカさんだってNIKEの過去CMみたら、あれが彼の作風だと私は感じる。
  • 好きな作品が沢山ある作家なだけに残念。権利を侵害されたのなら仕方がないですが…小売店の人やなんやら困った人もいる様子。

資生堂は、3月21日に発売した発毛促進剤「薬用アデノゲン」のテレビCMが、美術家・横尾忠則さん(68)の作品と「類似している」と指摘されたことから、今月5日以降、CMの放映をやめた。
問題とされたのは、三方の壁面にずらりと並べた689人の顔写真と鏡面仕立ての床を背景に、商品が空中に浮いている立体的な映像。
CM映像をテレビで見た横尾さんは「アイデアやコンセプトが私の作品と類似している。広告の作り手の主体性とモラルを問いたい」と同社に抗議した。
横尾さんによると、02年に東京都現代美術館で開催された「横尾忠則森羅万象」展に出品した、滝のポストカードを配列した作品と意匠や構成が似ていたという。96年の個展で発表して以後、テレビの美術番組や雑誌などでも紹介されていることから、「一度も目に触れないはずはない」とも指摘した。
同CMは資生堂と制作会社が企画し、演出をアーティストのタナカノリユキさん(45)が担当した。タナカさんは「オリジナルでやってきたという自負がある。模倣などしていません。今回の件は全く残念です」と話す。
資生堂の柿崎孝夫・宣伝部長は「クリエーターが模倣したかどうかをジャッジできる立場にはありませんが、総合的に判断して放映を控えました。今回のご指摘は美術と広告の表現に対する横尾さんの問題提起と広く受けとめています。今後の広告制作にも反映させたい」と話している