森村泰昌「諷刺家伝 - ゴヤに捧ぐ」

昨年グラミーのジョージ・クリントン色

新川の*1SHUGOARTSにて7・2迄。
森村さんの挑発的なグロテスクを飲み込める技量がないので、実は苦手な作品なのですが、同じ表現方式をとっている他の作家の作品をみると、森村さんの異常な品質の高さに平伏しマス。
美への固執はその意に反して往々グロテスクなものだとおもう。風刺作家を同じく諷刺が十八番の作家はどう料理するんだろうか?芸術家Mのできるまで

日本経済新聞05.06.08Wed編集委員 宝玉正彦)
森村泰昌は違和感で人を引き付ける。作品に含まれた毒の強さの点では現代日本屈指のアーティスト。批判精神とパロディーの力を作品のバネにしてきたその森村が、風刺の世界へと踏み込むのは自然な成り行きだ。
開催中の新作個展のタイトルは「諷刺家伝 - ゴヤに捧ぐ」。諷刺画として有名なゴヤの銅板画集「ロス・カプリチョス(気まぐれ)」に基づく作品を中心に20点ほどが出品されている。
森村といえば、名画の登場人物を自分から演じて写真に撮ったセルフポートレートがよく知られている。が、今回は仮面や着ぐるみを着けた姿も多くなった。違和感の源泉である作者自身の顔が後退したことを森村ファンは寂しがるかもしれない。
が、美術史や映画女優などに限定されていたテーマが社会現象と広がり風通がよくなった。
例えば写真の*2作品はタイトルの通り、男性優位の社会が終わった事を諷刺している。

*1:http://www.shugoarts.com/jp/view.html#23 うわ、こんなかっこいいスペースが誕生していたとは!

*2:『紳士諸君、あんたらの出番は終わったようだ』(2004年)