アラキメンタリ

http://www.elephant-picture.jp/araki/index.html
荒木経惟オフィシャルサイト -arakinobuyoshi.com-

  • 陽子さんが亡くなった後、空をモノクロで毎日延々撮った写真で、やっぱりちょっとジンときた。単なる空ではかかった。
    北野たけしが「支柱と振り子の関係で、オレは振り子みたいにいろんな事をグルグルするんだけど、荒木さんはこの支柱にいてオレをみている気がする。」といい。荒木さんにほれ込んだ神蔵美子は「もう、写真ではない」という。
  • 芸術は言葉で確証できない。現象を寄せ集めオボロゲにそれを探り続けるものだと思う。空事―2004年写狂人日記
  • 『点を集めて線をつくるように』実像をかりた架空の空間を連続して欲望の現実を、日常に彼は捻り込む。『愛は元々あるもの、恋は自分でつくる世界』
  • みた事のない作品もたくさん見れたのが感動。アラーキの創作活動のパワフルさに驚く。若い頃銀座の人々を背景を消して撮った写真は全部見たい。あんなに強いモノクロ写真は見たことが無い。熱湯現像のシリーズや、噂のゼロックスで上製した初の写真集は奥さんの陽子さんも電通の社員に一部千円で売ったんだそう、品質が悪くてザラザラなのがかえって廃退的な気持ちを感じさせる。

東京日記 -1981-1989

  • 吉原近く三ノ輪の下駄屋の息子の彼は、幼少の頃、身寄りの無い遊女が死後纏めて葬られた墓を遊び場にして育つ。彼に惚れ込んでNYからやって来たこまりさんは『彼は歌麿ら浮世絵にあった官能を現代的に再現している。』と言う。同性として女の人が縛られて恍惚とした表情のシリーズは艶かしく意味を超えて美しく、完全否定はしないが、私は好きではない。今回彼の様々なスタイルの作品をみて、彼が俗世の週刊誌のエロ写真をライフワークとするのは、理解されない芸術家の舌を出した迎合に思えた。甘くジワジワ効く毒。
  • 自作を指舐めて捲って、早口でシャガレ声で笑って言葉を呑んじゃうアラーキー。人を説きふすというより自分自身に言い聞かせるように言っていた。『男の子はね、悲しいことがあってもそれを出しちゃいけないんだ。内側に溜め込んで、写真にして出す。シャツターの音で全部消えてなくなる。』うちの父より年上のアラーキ。おとこのこはね。おとこのこは…。センチメンタルだなホント。