第1回「住まい文化研究会」安藤忠雄氏講演会@東京国際フォーラム B7ホール

ここはRafael Vinoly設計

安藤さんの著書は何冊か読んで、とりわけ『安藤忠雄の都市彷徨』はバイブルだったりする。‘00年にNHKで放映された『人間講座建築に夢を見た (NHK人間講座)』も見ていたが、本もテレビも随分編集されているのだなあ、と呆れるほど、実際は”オモロイ若々しい方”でありました。
http://www.milai.co.jp/hdp/
書きかけ。加筆徐々にします。

『建築家になって7.8年は、施主の意見なんて聞くもんじゃないと思っていた。』by安藤忠雄*1

大きなスクリーンに最初投影されたのは丹下健三作・代々木体育館。多大な影響を受けたそうです。そうしてライトグレイのスーツの安藤さんの作品がご自身の制作秘話と共に映し出されました。
安藤忠雄 (タッシェン・建築デザインシリーズ) 

  • そうゆうやつは死になさい。 『http://www.mediawars.ne.jp/~m921320/a_map/map_of_kyoto_08.htm
    この建物のはよく知ってかっこいいなあと思っていたら安藤建築だったのか。
    ここのオーナに『三宅一生や、高田賢三の入るような建物を』と依頼された安藤さん。3階建て各階からの眺めの違うビルを設計します。特に高瀬川に入れる地下の階段はここならではの自然に接することのできるチャームポイント。しかしこの設計図を京都府に提出したところ、『川で子供が溺れる危険性がある』と却下。たかだか10センチの水嵩だと反論すれば、窒息するには十分との返答に思わず『そうゆうやつには死んでほしい』と思ったとかなんとか。
    まあ、なんとか許可が下り現在は本当にオシャレなファッションビルですが、路面から中が見えにくいので売り上げがイマイチとのこと。『売れる服を作って欲しいものです。』なるほと。
    頼まれてないけど、隣の中華料理屋さんもこのビルに組み込んだ設計図を描き、現在はそのとうりになって、川から登って裏を一巡りできる構造になっているそう。で、目下そのとなりの居酒屋も改造計画の一環に入って設計図ができていた...。自分をここまで貫けるって羨ましい。

家 1969→96 (住まい学大系)

  • クールビズの魁?『http://www.geocities.jp/s_uratti/architecture/ando/sumi.htm
    総勢25名の安藤忠雄事務所は冷暖完備ではないそう。
    『暑ければ一枚脱ぐ、寒ければ着る。』
    著書で施工の経緯を知っていた住居の1/3を中庭が締める、出世作住吉の長屋”は『10月〜2月は寒いと思いますよー。床暖房ひけばいいんですけど、自分は住みたくないですね。』と笑わせてくれましたが、日本人の高い民度は四季の自然により培われる感受性の賜物という強い信念があるから、施主タリとて情け容赦ないわけです。


安藤忠雄 光の色

  • バチが当った?けどびくともせず『http://fotografia.web.infoseek.co.jp/honpukuji/photo.htm
    ここは阪神大震災震源地のほんと直ぐ近く。『例の無いお寺を』とこの上ない依頼を受け、“水面を天井に持つ地下にお堂がある寺院”の設計図を見せたところ、全員反対意見の『普通、反対が多くても半分くらいなんですがー』前代未聞状況。が、お亡くなりになった僧侶の『冥土の土産にみて見たい』の鶴の一声で全員賛成に寝返り、思わず『水漏れがあかもですよー。』と万全の安全対策をしていたが、脅かしてしまったそうです。
    で、晴れて完成。竣工式にむすっと本堂へ降りてゆくお坊さんのスライドを指して『お坊さんなんて時代の変化に敏感に対応していかなくてはいけないとおもうんですけどねー。この人なんて嫌がってますね。』とイジッてました。意外にこの一風変わり過ぎたお寺は観光地化し、隣に観光バスの駐車場もできたりし、終いには住職さんから『拝観料を頂こうと思うんだけど、幾らがいいか?』と相談される始末に。
    呆れつつ『300円くらいでいいんじゃないですかー?』なんて答えておいたら、その数ヶ月後に阪神大震災に見舞われ、『バチがあたったな』と思ったそうです。
    だがしかし、本堂はヒビ1つ入らずだったそう。かっこよすぎる。

建築を語る

  • 先ず親から感性磨いて欲しい『淡路夢舞台
    ホタテ貝は本物をボランティアの人に敷いてもらったそうですが、その貝を見た母親が『まあ良くできたプラスティクねえ。』と感嘆していて愕然としたそうです。未来を、とりわけ小子化で支える高齢化社会を迎えるにあたって、『本物をよく見て、本質を見抜く子供』を育てなければならず、その感性を育むには先ず親からだとの、お話でした。
    スライドの最期は各国々の元気な子供の笑顔の写真でした。『自分の意思で行動すると子供は生き生きする』教育者の端くれとしてメモさせていただきました。

元ボクサーだった安藤さん。その強靭な肉体を支えるブットい精神が彼の作品の骨になってるのが良く解った。体裁、整えるだけのヤワなバリアフリーなんて過保護の扱いで、人間本来の可能性を殺さない土壌としての安藤建築なのだと思う。

http://www.rvapc.com/flashindex.html
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*1:サインいただきました!よくみたらイラストも直筆!!宝〜。安藤忠雄建築手法

*2:建築面積(建坪)の敷地面積に対する割合。建築面積率。