南城一夫::群馬県立近代美術館コレクション5

昭和庁舎

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http://www.mmag.gsn.ed.jp/collection/honken/koyagi.htm←この絵がダイスキで。
この時代の革新的な様式ではないのですが、西洋絵画への憧憬と、日本人の叙情が人類不変の良心で表現されていて、"絵の良さ”の原点に帰れる。ジョルジュ・ルオーっぱりのがっちり堅牢な絵の具の画面で、普通のモチーフがいくら見ても見飽きない。独特の湿度のある世界が広がっていく。
一つ疑問だったのは『枇杷』の作品年代が不明で、前期と後期どちらに描かれたのか?それだフォルムが大人っぽいのだ。他は丸くころんと少々デフォルメされているのだけど、それだストレートに写実的なのだ。このかわいらしさへ至る前か後かそれで作者の歴史がちょっと変わるとおもう。あ、いいのか、ただ『かわいいなあー』で。
かわいいけど手のひらで遊ばれてるのはこちらといった骨太な作品たちだった。他の作品も一度生家が焼失していたりと行方不明なものがおおく、遅筆の作者の作品はあまり多く残っていないのだそう。そんな逸話もまたかわいいなあ。