『未来へ伝えたいこと』小崎哲哉@高崎市立南公民館講義室
FISHMANSの佐藤伸治さんによく似た方でした。
写真集『百年の愚行』を編集、デザインに携わった小崎哲哉さんは現在、主にWEBマガジン『http://www.realtokyo.co.jp/japanese/』を編集している。他に、
http://diary.nttdata.co.jp/
http://www.artit.jp/japanese/精力的に活動している。過去においては幻のタウン誌『03』副編集長。
Think the Earth || Project 002 [Book] SNÌðsの発行、
展覧会http://ted.city.takasaki.gunma.jp/sosiki/art_museum/a/aex05_3.htmの関連イベントとして
編集者の小崎哲哉さんがスライド投影を交えてお話してくださいました。
『これ以上、人間が搾取する理由は無い』by小崎哲哉さん
- 新聞に敬意を込めて、想像力の刺激を図る
この本に掲載された写真作品は、マグナムフォトや通信社、Corbisといった写真のアーカイヴから編集されたものの背景に、世界各国の新聞が表具されたデザインになっています。
後ろの新聞記事と写真の直接の関係は無いが、新聞の報道として発表さてた作品も多く、その写真の背後にある事件性を暗示させたかったそう。
イアン・ベリー*1らマグナムの写真の芸術性もさることながら、アートディレクター佐藤直樹*2さんの凝った装丁には“キレイすぎて不謹慎”との意見もあったそうですが、『あえて挑発しようと思って美しいデザインにした。』そうです。*3
- まだ生きてた(シツレイ!)クロード・レヴィ=ストロース
『百年の愚行』は報道写真と小崎さん達が依頼した、寄稿も興味深い魅力です。
池澤 夏樹
『文明の手前で立ち止まる』
アッバス・キアロスタミ
『映像として残る人間の愚かさ』
フリーマン・ダイソン
『21世紀に我々の子孫が直面するだろう諸問題』
鄭義『湖の夢』
クロード・レヴィ=ストロース『人権の再定義』(敬称割愛)
フランスに行ったとき小崎さんはレヴィ=ストロースに直接会ったそうです。長寿家系の彼も90なんぼ、老人性振戦でぷるぷるしてたそうですが、いざペンをとるとピタリと止まり、思考は明晰、快活。20世紀と人生を共にした彼の未来への警鐘はMUSTで読メ!なのです。
物理学者のフリーマン・ダイソンさんはCO2のコントロールを国別に物理的にアドバイスしていて工学系の人は読んでもらわないと困ります!!アジアの安全な食べ物:June 2005 - livedoor Blog(ブログ)
- 必要最小限のキャプション
『いろんな事に想いを馳せる必要性がある。』と、『説明は長い方が正確に伝わる』と断言しつつ、あえて写真のキャプションは短くしてあるそうです。
実際にナチスのガス室を訪れたとき、シアンガスで青く染まったガス室での想いというのは、同時に訪れたユダヤ人建築家ダニエル・リベスキンド設計*4のユダヤ博物館*5がおもちゃに見えるほどリアリティーが充満していたそうです。
- 『上海ベイビー』の真実
短い説明で誤解が生じクレームが来たりもするが裏をとって非がある場合はきちんと謝罪して訂正するそうです。
が、本誌に掲載された日本軍機が上海南駅の避難民約170人を殺害時に見捨てられた赤ん坊を撮影した通称*6『上海ベイビー』*7 *8と呼ばれる写真は、小林よしのり氏の戦争論*9でも典型的な戦争の悲惨さをメディアが捏造してプロパガンダしたものとして紹介されており、厳しい投書が学生からきたそうです。が、よく裏を取れば小林よしのり氏も掲載した写真はトリミングされたもので、前後関係を調べたらニューズリール*10の一コマでこれがヤラセであったら当時問題になって抹消されているはずで、現在まで保管されているということはデマではないと判明したそうです。
- 無知がIDIOCYを招く、新聞とメディアリテラシー
小崎さんは新聞を読むのが好きで、世界各国旅行に行くと土地の新聞を読むそうです。日本の新聞は国際ニュースが少ないと嘆き
また自分が何故バイリンガルでサイトを更新する理由は、“全てのメディアはナショナリズムに奉仕する”という言葉もあるとうり“文化は言語体系に依って支配される”という信念があるからだそうです。色々モノの見方が必要で、編集者の使命として、多くの情報を集め僕たちなりの最適化optimizeをし提供していきたいとのお話でした。
- 物事の良し悪しは表裏一体
小崎さんは、『明日アル中で死ぬかわからない、部屋はこの写真集のフィリピンのゴミ山みたいな人間だ。(分別はしっかりしてるそうです)』と軽くいい、徹頭徹尾、完全無欠に全てが人間の愚行ではないという。クローン動物の実験も難病治療や食料問題を解決するための一環であり、いいことだって沢山あった、と。
ちなみにお子さんはいらしゃらないそうです。先日、住田佳子さんの講演をきいた際、『18年に人口』が減少するのは歴史的にも初の大事件。とのお話でしたが、20世紀地球は爆発的に人口が増加して、それによる弊害がこの展覧会でも沢山観れたけれど、それが今後どう私達に影響するか?少し立ち止まり、この傷を財産にしなけばならないのだと思う。
- 未来への行動
今後、小崎さんはどんな活動をしていこうか、この本の続編というのもちょっと重い、と迷っていたところ、同時にこの美術館の裏にある哲学堂に展示された高崎南小の子供達が『未来に伝えたい事』と題して撮影した町の写真を観て、大変感動した、人類は確かに愚行を犯したがそればかりではないという内容の本にしようかと閃いたと、この企画をしてくれた方々に感謝をつげ、会は終了しました。
南小の生徒の作品は公園で掃除に励む人や、気持ちのよさそうな猫、亀の親子、昼間の暖かな光といっしょに撮影してありました。
参考サイト
http://www.hudson.co.jp/corp/AAA/
Welcome to the CIA Web Site — Central Intelligence Agency
Home | Food and Agriculture Organization of the United Nations
準備中
ICBL- International Campaign to Ban Landmines | ICBL
International Energy Agency
Home page | UNICEF
http://www.grida.no/geo2000/
UNHCR - The UN Refugee Agency
http://unstats.un.org/unsd/
WHO | World Health Organization
WWF - Endangered Species Conservation | World Wildlife Fund
*1:Ian Berryhttp://www.magnumphotos.co.jp/ws_photographer/bei/index.html
*3:確かにアジアの安全な食べ物 - livedoor Blog(ブログ)と比較すると状況は似ていてもそこには意味を超越した美がせめてもの救いの様に感じられます。何でこれ国際問題にならないのでしょうか…。
*6:37.8.28(第二次上海事変の最中)に起こり、全面日中戦争の切っ掛けとなったとされるこの爆撃直後、H・S・ウォン(国際通信社INA上海局長)が撮影したといわれる。
*7:●http://nishio.main.jp/blog/archives/2005/05/post_144.html
*8:●http://konn.seesaa.net/article/5161928.html
*9:新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論詳細は私はよく知らないのですが、一時期問題になってましたね。http://www.geocities.co.jp/WallStreet/6930/Senso_Ron.htm
*10:Newsreelニュース映画