ベラルド・コレクション@群馬県立近代美術館
建築家志望の学生の聖地?磯崎新氏の出世作、*1群馬県立近代美術館が完成したのは1974年のこと。
通称“ぐんまの森”は隣接の歴史博物館の他、元・火薬工場の広大な敷地に児童遊具が溢れている。
子供の頃、社会科見学で行く予定が、余りの楽しみさに熱を出し、行けなかった思い出があります…。
平成6年に現代美術棟ができてからは、私の好みな展示も観られるので、ここ数年勤務地も近いので年3.4回は足を運びます。
*2*3*4*5
★POP ARTってなんだろう。POP=popularなのだろうが。か?
- エレイン・スターティヴェント『4枚のパネルからなるリクテンスタインのモデュール型絵画(第1試作) 』とロイ・リクテンスタイン 『鏡』からみるPOPということ。
エレイン・スターティヴェントは今回初めて作品を観たとおもうのですが、(わーたしの記憶が確かならば)自ら借用主義を宣言する開き直りも無用の程、ロイ・リキテンシュタインに作風がソックリなのです。
ロイの印刷ドットのペインティング、はっきりした純色使い。キャプションを見なければ見分けは付かない。
4枚組みの正方形キャンバスはWarholの形式ともとれるけれど。リキテンシュタインに許可を取っていたのか定かではないが。模倣というよりタイトルの『4枚のパネルからなるリクテンスタインの*6モデュール型絵画(第1試作) 』を簡単に言い直せば『リキテンシュタイン柄のパターン』でいいとだろう。
ココに観るPOPとは自我の消失だ。鬱積した影だの、躊躇いの憂いの片鱗もない。かっこいいのが一番でそれで全て被い尽くされたい。
- アンディ・ウォーホル『ブリロの箱』。エロ『ドッグ・フード』。ミンモ・ロテッラ 『 抜群の洗浄力 』
印刷物はPOPアートの培養物だろう。
WARHOLも沢山の印刷物コレクションがピッツ・バーグにある彼の*7美術館に展示してあった。情報に埋もれてるなんで普段気が付かない。しかし、絵画に現れる画家達が描く興味関心の対象は、生身の犬ではなくて、雑誌に印刷された犬の写真なのである。広く人々に知れ渡るものや人を手中に収めること。それが消費社会で生きていることの確認なのだろう。
POPの味には悪趣味も含まれている。これPOP=大衆的とだけ言い放ったら、人の良いおっちゃんの笑顔、汚します。
ジェフ・クーンズの『プードル』かわいくねー!ジョン・デ・アンドレア『アーデン・アンダーソンとノーマ・マーフィ』この展覧会、R指定によくならなかったな。という。共に彫刻なのですが、背景に模様描くとしたら、渦巻のドロドロした噴煙が良く似合う。スーパーリアリズムの作品は従来の良心的なイメージに排泄物投げる勢いでミモフタも全開で…絶対あたしは買いたくない。金持ちのことはワカラナイ。POPだPOPだ言っても。ベラルド・コレクションだから。
マルセル・デュシャンの『瓶掛け』が正面でお出迎えで展示が始まったんですが、『POPにも入るのか?』既製品使ってるからかー?
アンディ・ウォーホルの有名人の友達撮った白黒の組写真が一番下は床ギリギリに展示してあって観るの辛かった。
イロイロ巡回するしたみたいですが、他の会場はどうだったのだろう。
オルディンバーグはやっぱりほほえましい気分にされたし、リキテンシュタインは格好良さ再認識だし、ウォーホルはPOPを超えた普遍な良さがあるし、このPOP ARTが作る空間には『うけてたつ!』という昂進的な気分にさせらてキライじゃないです。POPって手軽で美味しい毒。かも。